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大切な予算 / 間取り 2021.02.19

敷地と家の関係性

 

こんにちは。
「シンプルノート 鳥取スタジオ」です。

みなさんはモデルハウスの見学はすでにどれくらい足を運ばれましたか?人によっては、何十社と見に行かれたという方もおられますし、方や数社とすごく少ない方もおられます。SNSや住宅雑誌を見ることも色々なアイデアを知ることが出来ますよね。
ただ、このようにたくさんの家に触れていると、実現したい様々な要望がどんどん生まれるのも事実です。良いところは、たくさん取り入れたいですからね。
しかし、間取りは要望だけで決まるのではなく、実際はその“土地の環境”に大きく左右されるため、土地を無視したままで要望を固めていくことは、あまりオススメ出来ません。
そうしてしまうことによって、逆に住みにくい家が出来上がってしまう可能性が高くなってしまったり、無駄なコストも余分にかかる可能性が高くなってしまうからです。
それゆえ、“間取りは環境に合わせてつくるものである”という基本原則は、覚えていただきたいと思います。
それがどういったことかをこれから説明していきますね。

例えば、あなたがあるモデルハウスの南全面にリビングダイニングキッチンを配置されていて、明るく開放的なのを感じてそうしたい・・
且つ、南に大きな窓もつけたい・・という要望をお持ちで、その実現が家づくりの絶対条件だと仮定します。
しかし、すぐ南に家が建っている土地に家を建てないといけないとしたら?

 

まず考えられることは、そもそも日が充分に当たらなくなり、南にリビングをつくったにも関わらず家が薄暗くなってしまうということです。
また、その土地はすぐ南に建っている家の裏口や裏面が見えるため、いつも過ごすリビングの大きな窓から見える景色は、散乱したゴミや、換気扇や窓から垂れる汚れやコケ、エアコンの室外機や給湯器といった生活感に溢れたものばかりになってしまうため、それを隠すためカーテンを閉めざるを得なくなってしまい、さらに家の中を薄暗くすることになります。
では、南に家が建っていない、あるいは建つことがない土地であれば、その要望の実現は問題ないのでしょうか?
この場合、日当たりを阻害するものがないため、一見南につくったリビングには、日光がサンサンと降り注ぐように感じます。
しかし、リビングが外から丸見えになってしまうとしたら、それを防ぐために、カーテンを閉めた状態にせざるを得なくなるのも現実です…
そうなると、おそらく先ずっと、そのカーテンはあまり開けないということになるかもしれません…
それゆえ、その条件が絶対だとしたら、外からリビングが見られないような土地を選ばないといけないし、そうなれば家が密集して建っていない地域にする必要があります。
つまり、土地の予算を上げずにその要望を実現しようと思うと、住む地域を変更せざるを得ないというわけです。
あるいは、それが出来ないのであれば、希望する地域でより広い土地を購入しつつ、さらに、敷地の南には視線を遮断するための塀の工事を施す必要があるかもしれません。
つまり、これは土地代と庭代により多くのコストを掛けざるを得なくなってしまうということです。
そう考えると、絶対条件を付けるということは、良し悪しがありますよね。

 

✔︎住む地域とコストと住みやすさと
また、家づくりでは住む地域も大切だし、予算も大切です。
住みやすさも大切なので、このバランスが取れた家づくりをしなければいけません。
そして、そのためには、やはり“間取りは環境に合わせてつくるものである”という基本原則を守ることが必要不可欠です。
たとえ南に家が建っていても、リビングに南からの光をたっぷりと採り込むことは出来るし、南に建っている家の汚い裏面を眺めながら暮らす必要もありません。
また、丸見えという犠牲を払ってまでして、一番南に大きな窓をつけなくとも、リビングに南からの光をたっぷりと採り込むことも出来ます。
そして、どんな土地であったとしても、全ての部屋を自然の光だけで明るくすることも出来ます。もちろん、プライバシーもしっかりと確保しながらです。
と言うのは、これらの問題は、全て土地によって解決出来ることではなく、全て設計によって解決出来ます。

 

つまり、環境に合わせて間取りをつくっていくわけです。自由設計の良いところですよね。
ですから、あらかじめ要望を固め過ぎてしまうと、住みやすさを犠牲にしたり、また無駄にコストを上げてしまっては、結果的に後々の暮らしの質が犠牲になりかねません。みなさんにはそうなって頂きたくないので、ぜひご夫婦で一緒に考えていただきながら、こういった点に気をつけていただけたらと思います。

それでは!(^^)!