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大切な予算 2020.12.23

住宅ローン控除とiDeCoと その1

 

こんにちは!

「シンプルノート 鳥取スタジオ」です。

 

みなさんは“住宅ローン控除制度”について聞かれたことはありますか?

金融機関に相談をされた時にパンフレットのようなものを貰われたかもしれませんが、ローンを組んだあとの話だと思い、その時にあまり深く読んではおられないことかもしれません。

 

“住宅ローン控除制度”とは、住宅ローンを組みながら家を建てた場合、10年に渡って所得税や住民税が還付される制度ですがおそらくそもそも自分が払っている税金の額を知っている方もあまりおられないと思うので、今回は、実際に金額を出していき、例を挙げてお伝えしていきます。

 

では、あなたがこれから家を建てるとして、あなたとあなたの配偶者の年収をどちらも300万円(計算しやすくするため10年間このままの給料とします)とし、

・住宅ローン借入3000万円

・金利1%、返済35年 (住宅ローンの返済開始を1月)

・土地・建物の持ち分はそれぞれ2分の1ずつ

・所得税はそれぞれ年間6万円(所得税率は5%)ずつ納税

・住民税はそれぞれ年間12万円(住民税率は10%)ずつ納税

と仮定し、この住宅ローン控除制度で受けられる恩恵がどれくらいになるのかについて計算してみますね。

 

まずは、その年ごとの年末の借入残高を計算します。

因みにこれはこのローンの返済シュミレーション表です。

年ごとの残高も載っていますので、あとに続く内容の参考としてみてくださいね。

 

 

(年末借入残高)

1年目:1464万円ずつ(2928万円÷2)

2年目:1428万円ずつ(2856万円÷2)

3年目:1391万円ずつ(2782万円÷2)

4年目:1354万円ずつ(2708万円÷2)

5年目:1317万円ずつ(2634万円÷2)

6年目:1279万円ずつ(2558万円÷2)

7年目:1241万円ずつ(2482万円÷2)

8年目:1202万円ずつ(2404万円÷2)

9年目:1163万円ずつ(2326万円÷2)

10年目:1124万円ずつ(2248万円÷2)

 

続いて、この年末の借入残高をもとに、還付される税金の上限額を計算します。

 

(還付される税金の上限額=年末借入残高×1%)

1年目:14.64万円ずつ(29.28万円÷2)

2年目:14.28万円ずつ(28.56万円÷2)

3年目:13.91万円ずつ(27.82万円÷2)

4年目:13.54万円ずつ(27.08万円÷2)

5年目:13.17万円ずつ(26.34万円÷2)

6年目:12.79万円ずつ(25.58万円÷2)

7年目:12.41万円ずつ(24.82万円÷2)

8年目:12.02万円ずつ(24.04万円÷2)

9年目:11.63万円ずつ(23.26万円÷2)

10年目:11.24万円ずつ(22.48万円÷2)

 

これらを全て合計した金額が住宅ローン控除によって得られる還付される税金のマックスの恩恵です。

住宅ローンを組む時にはこの還付される税金のことも考慮しておけば、より多くのお金を手元に残しやすくなるとも言えます。ぜひご参考にしてくださいね。

 

ちなみに、このご家庭の場合、ご主人だけではこれだけの金額を借りることが難しいのもありますが、ご主人だけだと住宅ローン控除の恩恵をあまり受けることが出来ません。

奥さんにも連帯債務で入っていただき、持ち分を2分の1ずつにすることで、この恩恵をマックスで受けられるようにしてみました。

 

内訳は以下のようになります。

(因みに所得税は年末調整によって還付され、住民税は翌年軽減されます)

 

1年目:14.64万円-6万円(所得税)-8.64万円(住民税)=0円

2年目:14.28万円-6万円(所得税)-8.28万円(住民税)=0円

3年目:13.91万円-6万円(所得税)-7.91万円(住民税)=0円

4年目:13.54万円-6万円(所得税)-7.54万円(住民税)=0円

5年目:13.17万円-6万円(所得税)-7.17万円(住民税)=0円

6年目:12.79万円-6万円(所得税)-6.79万円(住民税)=0円

7年目:12.41万円-6万円(所得税)-6.41万円(住民税)=0円

8年目:12.02万円-6万円(所得税)-6.02万円(住民税)=0円

9年目:11.63万円-6万円(所得税)-5.63万円(住民税)=0円

10年目:11.24万円-6万円(所得税)-5.24万円(住民税)=0円

 

これは1人分の計算となり、合計額は129.63万円です。

2人分となるため、この2倍となり、259.26万円もの金額が10年に渡り家を建てることによって手元に戻って来る、というわけです。

納税額の違いでみなさんがこの額になるとは言えませんが、計算をしてみると、意外に還付額は多いと感じて頂けるのではないかと思います。

 

 

さらに税金還付を増やすことが出来る!?

 

そして、家を建てる時いつもオススメさせていただいているのが個人型の確定拠出年金の“iDeCo”です。今までも何度か説明をさせて頂きましたが、オススメする理由は、これに加入すればさらに税金の還付が受けられるからです。

 

仮に、ご夫婦それぞれ1万円ずつ、“iDeCo”に加入するとして計算してみます。

 

1万円×12ヶ月=12万円

(iDeCoによって積立される年間の年金額)

12万円×5%(所得税の税率)=6,000円

(iDeCoによって還付される所得税額)

6万円―6,000円=54,000円

(住宅ローン控除によって還付される所得税額)

 

12万円×10%=12,000円

(iDeCoによってカットされる住民税額)

12万円―12,000円=108,000円

(住宅ローン控除によってカットされる住民税の上限額)

 

では、これを当てはめて計算していってみましょう。

 

・iDeCoによる恩恵

6,000円×10年=60,000円(還付される所得税額)

12,000円×10年=120,000円(カットされる住民税額)

合計:180,000円

 

・住宅ローン控除による恩恵

1年目:14.64万円-5.4万円(所得税)-9.24万円(住民税)=0円

2年目:14.28万円-5.4万円(所得税)-8.88万円(住民税)=0円

3年目:13.91万円-5.4万円(所得税)-8.51万円(住民税)=0円

4年目:13.54万円-5.4万円(所得税)-8.14万円(住民税)=0円

5年目:13.17万円-5.4万円(所得税)-7.77万円(住民税)=0円

6年目:12.79万円-5.4万円(所得税)-7.39万円(住民税)=0円

7年目:12.41万円-5.4万円(所得税)-7.01万円(住民税)=0円

8年目:12.02万円-5.4万円(所得税)-6.62万円(住民税)=0円

9年目:11.63万円-5.4万円(所得税)-6.23万円(住民税)=0円

10年目:11.24万円-5.4万円(所得税)-5.84万円(住民税)=0円

合計129.63万円

 

・iDeCo+住宅ローン控除の恩恵

=180,000円+1,296,300円=1,476,300円ずつ

夫婦合計=1,476,300円×2人=2,952,600円

 

このような計算結果となり、iDeCoに加入した分だけさらに税金控除の恩恵が受けられるというわけです。

 

しかも、iDeCoを掛けることによって120万円ずつ(1万円×12ヶ月×10年)将来受け取れる年金が増えたことにもなります。

 

今回は、数字をやたら多くなり、計算機を片手に読んでいただいたことにもなったかもしれません。

しかし、こういったお金の話は、ものすごく大切なことであり、知っているか知らないかで将来大きな格差が生まれることになるため、家づくりを通してお伝えしたかったことの一つです。

 

ぜひ、これから家づくりをされる方、既にされている方にも、こういったお金のことも勉強していただき、予算の計画やローンの借り入れ、節税などを賢く進めていって頂きたいと思います。

もちろん、賢い土地も見つけることからはじめ、家づくりを進めましょうね。

次回はこの計算を単独(借主1人)でローンを組まれると仮定した場合で同じように説明していきますね。

 

それでは!